高齢者の寝たきり~何が一番つらいのか~
2021年3月25日
「体験ルポ 世界の高齢者福祉」を読みました。
高齢者、と、寝たきり、という言葉が
セットのようになっている日本に住んでいると
世界中高齢者は寝たきりなのだと勝手に想像してしまうがそれは勘違いであることを知りました。
日本は世界の中でも寝たきりになっている高齢者の方が多い国です。
時々老人ホームにやってくるお年寄りは「ここに来るのが楽しみでしょうがない。」というかたが多く、
理由を聞くと、家にいると家族がうろうろとさせてくれないから、一日中テレビを見て動かず、何も楽しみがないから、という答えが返ってくるようです。
ご家族の、動き回ると危ないからとにかくじっとしておいて、
という考えが変わって行くと、元気なお年寄りが増えるのかもしれないと思いました。
寝たきりだと体がどんどん動かなくなり、それに比例して痴呆も進んでしまいます。
体を動かすことは何歳になっても大切なのだということを本を読んで感じました。
動くことが大事ということは、当たり前のことにも思えるけれど
お年寄りに関してはなぜか「危ない」という考えに偏ってしまいます。
そこが変わると、高齢者の現実も少しずつ変わるのかもしれないですね。
子どもの頃、夏休みや冬休みにおばあちゃんの家に遊びに行くと
おじいちゃんは寝たきりで私は話したことすらありませんでしたし、
時にはおじいちゃんの存在すら忘れていることがありました。
寝たきりになってしまうと、存在すら薄れていくのかもしれません。
もしおじいちゃんが動けていたらお話しもしただろうし、もっと違う思い出ができたのかも
と思うと残念にはなりますが、
高齢者のかたたちがさみしくならない日々が来て、
寝たきりという言葉が当たり前ではない世界が現れていくことを妄想して明るい気持ちになりました。